M61A1は1946年に陸軍の要求によって開発が始められ、1950年に空軍が開発に参加した6砲身の20ミリガトリング式の機関砲です。なお、航空機搭載型は1956年に開発が完了しています。
機銃の発射速度を上げると銃身に多くの負担がかかり短い期間で銃身を交換する必要が出てきます。そこで考え出されたのが複数の銃身を束ねて回転させるガトリング式の機関砲(銃)です。
M61A1は6本の銃身を反時計回りに回転させ発射と給弾を行っています。駆動は油圧によって行われ、駆動には35馬力の油圧が必要です。発射率は毎分4000発か6000発の2つがあります(機種によっては7200発も)。
しかし、砲身の回転が安定するまでの約0.3秒は砲身が安定しないため、最初の1秒は毎秒70発に落ち込み、命中率も下がっています。
また、砲身が加熱するため一度の連射では2秒が限界と決められているためそのうちの半分の時間は本来の性能が発揮されないことになります。
停止に0.5秒かかるため、数十発の弾薬が未使用のまま弾倉に戻されることになります。
これらの問題は砲身が回転するガトリング式に共通することであり単砲身の機銃ではこのようなことは起こりません。
現在、F-16を含む西側戦闘機では標準的な機関銃であり、アメリカの全ての戦闘機に搭載されています。(F-35は違う模様
また、さまざまな派生型が生まれ、ファランクスなどに使用されています。
昔は1000発程度の弾薬を装備していることが多かったのですが、F-16では511発に減されています。これはドッグファイトがほとんどなくなった現在では当然の措置と言えます。
余談ですが、バルカンとはこのM61シリーズの製品名であり、ほかのガトリング式の銃をバルカンと呼ぶことは間違っています。
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| 性能諸元 | |
| 名称 | M61A1 |
| 口径 | 20mm |
| 砲身 | 6 |
| 重量 | 114.5kg |
| 初速 | 1036m/s |
| 射程 | 約800m |
AIM-7は実に第二次世界大戦中の1944年から計画が始まった最も古いSARHミサイルです。
AIM-7自体の開発は終了していますが、さまざまな派生型が作られ、現在もAIM-7を含め世界中で配備されているミサイルです。
1948年にスパローTの計画がまとめられ、1951〜1953年まで生産と実験が行われ、1956年にアメリカへ引き渡されました。
しかし、実験の行われた2年間、一度も標的に命中したことはなく、不完全なままでの引渡しでした。
しかし改良を続け、新しいロケットモーターを装備したE型ではヘッドオンでの射程を35kmに伸ばし、ベトナム戦争とも重なり2万5千発が調達されています。しかし後方からの発射での射程距離はわずかに5kmであり、稼働率の悪さもあり評判は悪かったようです。
そんな中、今までの悪評を一掃すべくF型の開発が始まります。誘導装置はすべてICに置き換えられ、弾頭を大型化し、ロケットモーターをより強力なものへと換装したことによって射程距離の延伸はもとより信頼性が抜群によくなりベトナム戦争での悪評を一掃することに成功しました。
F型は1975年に量産配備が開始され、1981年まで配備が続きました。
次の量産型となったのがAIM-7Mです。シーカーの改良と弾頭の変更が行われました。シーカーの主な変更点はルックダウン/シュートダウン能力が加えられ、ECCMの強化が行われたことです。また、誘導用のコンピュータにも変更が加えられ、オートパイロット用プログラムに変更が加えられています。
さらに弾頭の信管をアクティブレーダーによる近接信管へと方式を変換し、弾頭自体も高性能炸薬+ロッドから環状炸薬へと変更されています。
このAIM-7Mは1983年から配備が開始され、アメリカ国内での生産は1990年まで続けられました。M型は湾岸戦争で最も使用されたミサイルであり、最も敵機を撃墜したミサイルです。
AIM-7シリーズ中最後の型となったのがP型で、ブロック1ではアクティブレーダー信管に改良が加えられより低い高度の目標への対処能力が高められたほか、コンピュータのシステムが強化・拡張されています。
続いて生産されたブロック2では中間飛翔誘導用のアップデート用データリンク受信機が装備されています。
その後AIM-9Rとしてミサイルホーミング改善計画(MHIP)が始まったが1996年に経費削減によって計画は打ち切られ、AIM-7の計画は終了しました。
| 性能諸元 | |
| 名称 | AIM-7F |
| 全長 | 3600mm |
| 直径 | 203mm |
| 全幅 | 813mm |
| 発射重量 | 231kg |
| 最高速度 | マッハ4 |
| 最大射程 | 70km |
| 誘導方式 | セミアクティブレーダー誘導 |
| 弾頭 | 40kg 環状炸薬 爆風/破砕弾頭 |
| 値段 | 125000ドル (約1437万円) |
AIM-9は1949年から計画が始まり現在もなお開発が続けられている極めて長寿な赤外線誘導ミサイルです。
1953年には試射が始まり、1956年にAIM-9Bがアメリカ海軍と空軍でIOC能力を獲得しました。
また、AIM-9Bは世界で始めてミサイルで敵機を撃墜したミサイルとして知られています。
次の空軍での量産型であるAIM-9Eはシーカーを改良し、より低高度での発射能力を獲得しています。
空軍はさらにAIM-9JとPを生産し、海軍と共同のAIM-9Lを開発することになります。
AIM-9Lはより高感度なシーカーを装備することによって初めてオールアスペクト能力を手に入れました。
AIM-9Lは1976年に生産が開始されましたが1982年にはAIM-9Mに切り替えられています。AIM-9MはIRCCM(対赤外線対抗手段)を強化し、発煙の少ないロケットモーターに換装しています。
また、湾岸戦争で教訓を得て、対フレア能力を向上、冷却システムの変更、誘導・制御ユニットの改修を行ったAIM-9M-9が生産されています。
その後も弾頭を大型化させたAIM-9Sや開発中止となったものの可視光帯CCDを誘導ユニットに組み込んだAIM-9Rが開発されています。
現行の最新型はAIM-9Xとなっており、オフボアサイト能力の付加、推力偏向システムの装備、カナード翼の固定、尾部デルタ翼の小型化など前世代とは見かけがかなり異なっています。
性能も段違いに上がっており、すれ違った敵機の撃墜や、真横にいる敵機の撃墜も可能になっていると言われています
このミサイルは実験段階を終え、すでに実戦配備が始まっており、これからも西側の標準IR短射程ミサイルとして主力であり続けると見られています。
また、AIM-9はさまざまな派生型があり、地対空ミサイルだけでなく、艦対空ミサイルへも派生しています。
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| 性能諸元 | ||
| 名称 | AIM-9L | AIM-9X |
| 全長 | 2850mm | 3020mm |
| 直径 | 130mm | |
| 翼幅 | 630mm | 280mm |
| 発射重量 | 85.3kg | 85kg |
| 最高速度 | マッハ2.5+ | |
| 最大射程 | 17.7km | 26km |
| 誘導方式 | IR誘導 | |
| 弾頭 | 9.4kg/10kg 環状炸薬 爆風破砕弾頭 | |
| 値段 | $84,000 | |
1970年代中頃、AIM-7の後継となるミサイルが1980年代には必要となるとする意見が議会で可決されました。
当時AIM-7はF型まで更新されていました。AIM-7は高性能なのには間違いなかったのですが中距離ミサイルとしては非常に重い物でした。(AMRAAMが157kgなのに対してAIM-7Fは231kg)
そこでAIM-7の基本設計はそのままに小型化し、さらなる能力が付与された新たな中距離ミサイルを開発する米海空軍共通の計画であるAMRAAM(Advanced Medium Range Air-to-Air Missile)が1976年に開始されました。
2軍が同時に参加したのは両軍が同じものを採用することによって調達数が増え、より低コストで作ることができると踏んでのことでした。もっとも、この思惑は覆されることになりますが。
アメリカ空軍と海軍が要求した性能は次のようなものでした。
・スパローよりも速く、小型で、射程が長く、運動性能を向上させる。
・ECCM能力の強化
・Fire-and-Forget能力、いわゆる撃ちっぱなし能力を持たせる。
・搭載している戦闘機が走査中の追跡機能(TWS)を持っている場合には複数の目標に対する同時発射が可能
以上4点が主なものです。
1979年2月2日、概念開発段階に提案していた5社のうちヒューズエアクラフト社のヒューズミサイルシステムズとレイセオン社を選定しました。
概念実証段階では米軍が両社から合計10発のプロトタイプを受け取り、F-14,F-15およびF-16から発射実験を行っています。
そして1981年の終わりごろ、両社3発ずつ、わずか6発のミサイルを撃っただけでヒューズエアクラフト社のヒューズミサイルシステムズのミサイルが選定されました。
その後94発のテスト用ミサイルと、924発の完成したミサイルの契約が交わされ、AMRAAMは1982年9月に全規模開発計画(FSD)へと入ることになります。
同年にはミサイルの試射がニューメキシコ州にあるホロマン基地と海軍航空基地であるポイントムグで行われ、このミサイルの高性能さを証明しました。
計画に遅れがあったものの、順調に開発が行われてきたAMRAAMですが、1985年までには深刻な問題が浮上していました。
それは膨大な予算超過と敵対ECMの環境のなかでテストを行う手段が1986年までなかったことにより計画に遅れが出たことです。
しかしなんとか乗り越え、ほかにもいくつかのトラブルがあったものの1987年初期定率生産(LRIP)が認められ、ヒューズミサイルシステムズとレイセオンの2社によって生産が開始されました。
1991年には空軍がIOC(初期作戦能力)能力を獲得、1992年にはフル生産が始まり1993年には海軍がIOCを獲得しています。
誘導方式は慣性誘導により中間誘導が行われ、発射母機が目標を捕らえ続けているならデータリンクによって敵機の位置をアップデートし続けより正確な位置へと誘導します。
一定の距離まで近づくとアクティブレーダーシーカーを起動、自ら敵機を捜索してロックオンし、敵機の追尾を開始します。
通常は慣性誘導で誘導するが敵機との距離が近距離の場合、最初からシーカーを起動させて発射することも可能となっています。
シーカーを起動させてからは非常に高いECCM(対電子対抗手段)能力を持っており、チャフをばら撒いて逃げようとしても無駄と言われるほどです。また、ECM環境下の場合ジャミングの発信源へと向かうホームオンジャム能力も持っています。
なお、発射後即座にロックオンを解除した場合、敵機が高機動を行うとAMRAAMはアップデートされていない予想着弾点へと向かうため無駄な燃料を消費し命中率が低下しますがロックオン後即座に回避起動が行えるということはそれだけ発射母機の生存性が高まるということであり、一機数十億の戦闘機を失うよりも一発数千万のミサイルを無駄にしたほうがいいとい考えが現れています。
このように優れた誘導性能を持っているAMRAAMですが、このほかにもいくつかの特徴があります。
・サイドワインダーと同じレールランチャーを使用することができる。
これは今まで爆装をした機体は翼端にAIM-9しか搭載することができませんでしたが、同じレールを使用することによってAMRAAMを使用することが可能であり、より生存性を高めています
・スパローと比べ軽量のため従来はスパロー一発しか搭載できなかったところを2発搭載することも可能になっている
また、ロケットモーターは下の写真を見ればわかるとおり非常に発煙が少なくなっており、視認で発見されることを防いでいます。
これらの特徴から性能はスパローとは雲泥の差であり、スパローを装備する自衛隊とAMRAAMを装備するアメリカ空軍が模擬戦を行ったところ自衛隊は一勝もできなかったといわれています。
前述したとおりこのミサイルは米海空軍の2軍共同プログラムにすることによって全体の調達数を増やしコストをできる限り減らすことが思惑にありました。
しかし、実際には開発費の高騰、その高性能さからスパローの倍以上の値段となりその値段ゆえに今のところアメリカ以外での配備はされていないのが現状です。
よって、比較的安価なAIM-7スパローは今後しばらくも世界の標準中距離ミサイルであり続けると考えられています。
AMRAAMは現在も開発が続けられており、現在はAIM-120Cが最新型となっています。
AIM-120Aはハードウェアによるプログラミングだったのに対し、AIM-120B/Cはソフトウェアによるプログラミングも加えられておりソフトウェアの交換による命中精度の向上が行われています。
また、C型はF-22のウェポンペイに6発入るように中央の安定用フィンが小型化されています。
C型は事前計画製品改良計画(P3I)によっていくつかのブロックに分かれており、いくつかの段階ごとに高機能化されています。
現在の最新型はC-7です。改良された点をあげると
・F-22のウェポンペイに6発収まるように中央の安定化フィンの小型化
・オートパイロットの改良
・電子機器の改良
・新しい指向性の弾頭
・ロケットモーターの改良
・シーカーの低コスト化(赤外線とアクティブレーダーの複合シーカーと見られている)
・アクティブレーダー信管
・終末誘導用のリアクション・ジェット横推進装置
・射程の延伸
など多数の改良が行われています。
さらに、現在開発中のD型は双方向データリンクを装備しており、JTIDSを通してAWACSやほかの機体からの中間誘導が可能になりさらなる射程の延伸と命中精度の向上さらには後方の目標も撃墜可能な高オフボアサイト能力の付与が予定されています。
また、AMRAAM自体を改良したFMRAAMというものも開発中でありラムジェットエンジンを2基装備し、AMRAAMのソフトウェアをそのままに改良を加えAMRAAMを装備できる戦闘機がそのまま装備できるように設計されています。
ラムジェットによる高燃費、高出力の加速はすさまじく、最高速度はマッハ4以上、射程距離は100km以上になるといわれており、
さらにD型の双方向データリンクを装備するとなるとAWACSによる中間誘導が可能となり線上のあり方を一変させるかもしれません。
なお、現在はヒューズミサイルシステムズはレイセオン社と合併し、レイセオン社が生産を一手にになっています
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| 性能諸元 | |
| 名称 | AIM-120C |
| 全長 | 3.65m |
| 直径 | 178mm |
| 翼幅 | 447mm |
| 発射重量 | 157kg |
| 最高速度 | マッハ4 |
| 最大射程 | 50〜70km |
| 誘導方式 | 中間誘導:慣性誘導 終末誘導:アクティブレーダー誘導 |
| 弾頭 | 22kg 指向性爆風破砕弾頭 |
| 値段 | $386,000 (約4529万円 ) |
着弾までの連続写真
1965年にAGM-65は計画がスタートし、現在も第一線で活躍している対地ミサイルです。
非常に多くの改良型や派生型があり一大ファミリーを築いています。
このミサイルが登場するより前には2つの対地ミサイルがありました。
1つはAGM-12ブルパッブ、もうひとつはAGM-62ウォールアイの二つです。
AGM-12が配備された当時(1959年)としては画期的なCEP30m、射程7nmを実現し、非常に有効なミサイルでした。
しかし、誘導方式がパイロット(もしくは兵器管制官)の目視による無線誘導だったため誘導手の視力が悪い場合、そして天候などによって誘導性能に差が出ていました。
よって、視界が悪い場合の誘導を改善するためにAGM-62を開発します。
1962年に配備が始まったAGM-62は今までにない誘導方式を採用した画期的な方式でした。
AGM-62はシーカー部分にテレビカメラを搭載し、その画面を見ながら誘導するために誘導手の視力に関係なく誘導することができました。
しかしAGM-62は分類上はミサイルですが推進装置を持っておらず、普通の投下型のミサイルでした。
そのため射程を上げるためには高度を上げる必要がありました。
しかし高度をあげると、雲が多い日などは視界がさえぎられ命中精度が極端に下がってしまいました。
そのため、AGM-12をAGM-62で全て置き換えることはできませんでした。
この2つのミサイルを全て置き換えるために開発されたのがAGM-65です。
1972年にアメリカ空軍に配備が開始され、1973年には第4次中東戦争のためイスラエルに輸出されました。
そこでこのミサイルは実に命中率85%というすばらしい成績を収め、作った当人のアメリカもびっくりしたといわれています。
射程は1〜16kmと短いのですが今までのものと比べると小型かつ軽量なため一つのパイロンに3発を搭載することもできます。
よって、ペイロードとハードポイントの多いA-10は最高で実に14発ものAMG-65を搭載することが可能です。
誘導方式はA,B型がテレビ誘導です。B型は2倍の拡大機能を持ち、またメモリーに画像を記憶しその画像と合致する目標へ向かっていく誘導方式へ変更されています。最大射程3km
D型は画像赤外線方式になり、夜間でも悪天候でも使用可能な全天候型になりました。最大射程20km
G型はそのD型の空軍用アップグレード型で、ソフトウェアを改良し命中精度を向上させたものです。また、さらに命中精度を高めたG2型も開発されています。最大射程20km
F型は現在アメリカ海軍で使われているもので、対艦用のため弾頭重量を57kgから136kgへ増加させています。最大射程25km
H/J/K型はシーカーをCCDカメラに変更したものです。H型が元となり、J型が海兵隊向け、K型が空軍向けとなっています。H型:最大射程6km弾頭重量57kg、J/K型:最大射程:25km、弾頭重量:136kg
現在アメリカでは生産が終了し、備蓄分での使用ですがしばらくは使われ続けます。
また、海兵隊が採用しているものでSARH型のE型も存在します。
![]() 湾岸戦争戦歴 | ||
| 名称 | 発射数 | トータルコスト(USD) |
| AGM-65B | 1,673 | $107,239,300 |
| AGM-65C | 5 | $550,000 |
| AGM-65D | 3,405 | $377,955,000 |
| AGM-65E | 36 | $3,636,000 |
| AGM-65G | 177 | $47,613,000 |
| 合計 | 5,296 | $536,993,300 |
![]() 性能諸元 | |
| 名称 | AGM-65 |
| 全長 | 2.49m |
| 直径 | 305m |
| 翼幅 | 719mm |
| 発射重量 | A/D/H:210kg E:293kg F/G/J/K:307kg |
| 最高速度 | マッハ1+ |
| 最大射程 | 3〜25km |
| 誘導方式 | A/B:TV D/F/G(2):画像赤外線 E:SARH H/J/K:CCD |
| 弾頭 | 爆風貫通弾頭 A/B/D/H:57kg E/F/G/J/K:136kg |
| エンジン | チオコール社製固形燃料ロケット TX481 もしくは減煙型のTX633 |
| 値段 | A:約572万円(48,000 USD) B:約764万円(64,100 USD) C/D/E:約1311万円(約110,000 USD) G:3028万円(269,000 USD) |